パネルディスカッション
Team Teachingって何だろう?
―教室におけるnative speakerの役割―
Chaired by マークス寿子氏 (秀明大学教授)
11月6日(火)国際文化会館講堂において、マークス寿子先生によるパネルディスカッションが開催されました。
今、学校教育における英語の授業ではJETプログラムで来日した外国青年がALT(Assistant Language
Teacher)として日本人の英語教師と一緒にTeam Teachingを行っています。JETプログラム(The Japan
Exchange and Teaching Programme)は1987年、当時の外務省、文部省、自治省の3省にまたがるプロジェクトとしてスタートし、15年を経た今日では年間6000人を超える各国の青年が来日しています。その成果について、関係機関の調査では概ね「成功」との結果がでていますが、その具体的な分析・検証はほとんど行われていません。今回は最初にマークス先生がこうした現状について解説され、その後、教育の現場に携わる3人のパネリストから熱意あふれるご意見を伺いました。
Kathryn Lloydさん(現役ALTとして群馬県の小中学校に勤務)
JETプログラムは基準が高く難関だと聞いていたが、面接では本人の教師としての資質や、教えることへの興味等に関する質問がなく拍子抜けした。10数校の小中学校を約1ヶ月単位で回っていて、生徒や先生にとっても自分の立場が不明確。日本人の先生方は英語が上手であるが、授業など人前で話すときには間違えることを恐れてしまう傾向が強い。それを生徒が見ると生徒も恐れて話さなくなってしまう。
Timothy Mark Witherowさん(1996年JETプログラムで来日し3年間ALT。現在は外国語教育研究に従事。)
JETプログラムは当時の日米貿易摩擦を背景とした日本の国際化の外圧に対する日本側のPRプロジェクトとしての意味合いが強い。もともと英語教育への関わり方としてはあいまいな立場にある。日本の真の国際化のためには、海外からの受入だけではなく日本人の英語教師を海外で勉強させる機会も作るべき。日本の教育現場が世界の現状から孤立してしまうことを懸念する。
本多綾子さん(埼玉県内の高校英語教師。20数年の教師生活のうち半分はALTとのTeam Teachingを行ってきている。)
Team Teachingを行ってきて自分自身は得るものがたくさんあった。Team Teachingは生徒にコミュニケーションの楽しさを伝え、会話の機会を多く提供できるなどのメリットが多々ある。日本人の先生にとっても英語での交流の機会になり、また新しい教材、クリエイティブでコミュニケーションを重視した教授方法の提供などによりよい刺激を与えていると思う。しかし一方では日本人の先生に種々の配慮、任務が求められ負担増となっている。ALT側でもその処遇が不明確で、充分な責任が与えられないためにやる気を失うケースもある。
後半にはフロアからも積極的な質問が出され、パネリストを交えて熱心な意見交換が行われました。最後にマークス先生が今日をスタートとして議論を続けていくことが大切と結ばれました。大変意義深い内容でした。
マークス寿子 (Lady Toshiko Marks)
東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。東京都立大学法学部博士課程修了。 同大学の非常勤講師を経て、71年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究員として渡英。エセックス大学現代日本研究所日本語コース主任を務めた後、現在秀明大学教授として日英間を 行き来している。日本語教育問題、家族問題に警鐘を鳴らし各方面で反響を呼んでいる。著書多数。
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