| 新春講演会 『日本はどれほど変わったか』 G. ハリス氏
1月25日(木)日本記者クラブにおいて2007年初の講演会が開催されました。講師はハリスコンサルタンシー社長のグラハム ハリス氏。会場は満席でした。
ロイズ銀行のバンカーとして1960年代に来日されて以来、他国の勤務があったにしても常に日本と深い関係を保ったハリス氏は随所にユーモアをちりばめながら以下の八つの側面から日本が昔と変わったか、変わらないかを軽妙に分析されました。全体としては昔の日本は世界の中でかなりユニークな国であったが、グローバリゼーションも進み、現在の日本はless different, easier to deal with になってきたとのことです。八つの側面からのお話は概要以下の通り。
- ビジネス:バブルの前後の大変化や金融ビックバンによりずい分変化。それでも未だ日本的な面が残っており例えば敵対的買収などは日本的風土に馴染まないようだ。
- 労働環境:男女差別の解消、年功序列の廃止など環境は随分変わったが一方で自殺が増えたり手当無し残業が生じたり問題も多い。
- 政治:これは昔から最も変わっていないものの一つ。未だにLDPの天下で世襲議員がますます目立つ。英国にも親子の議員がいるが、選挙区は別である。中国、韓国との関係は全然好転せず戦後処理問題から云えば、ドイツの英仏との関係改善と比べて誠に情けない。
- 外国とのビジネス:ウイスキーの関税引き下げに躍起の時代もあったが今はすっかり様変わり。日本から海外への投資、外国から日本への投資も増大し、その「外国」も欧米からアジアへと移ってきている。一方日本にはVodafoneもTESCOも根付かなかったという不思議な面が残っている。GDPに占める外資系企業の割合はわずか2%。(英国は37%、米国は12%)。
- 国際性:先日ビックカメラに行ったら店員が中国人だった。このような例は激増した。
- 外国人との関係:元来日本人は外国人に対して至極親切で汽車に乗り遅れた外人を駅員が自分の車に乗せて追いかけた話などがあったが、最近では外国人は珍しいものではなくなった。が、不思議な癖もあって私が日本人助手をつれてビジネスの会談をすると相手の日本人は私が発した質問に対する回答を私の助手に対して行う。
- 教育:日本人の識字率は大昔から世界最高で大学進学率も極めて高い。ところが日本の大学は世界的に認められておらず世界のトップ58大学のリストに日本の大学は一つも入っていない。昔の学生はデモも盛んであったが今はそんな若者はいない。
- 社会:昔と比べて結婚年齢が高くなり結婚しない人が増えた、女性重役も誕生している。一方でホームレスも増えているが日本のホームレスはおとなしくて怖くない。ブルーシートの横にゴルフバックが置いてあった。犯罪が増えているというが日本はまだ心優しい国。道路一杯に商品をはみ出させているマツモトキヨシで誰一人盗んでいく人はいない。野菜とお金を入れる箱が無人で道路の脇に置いてある。こんな国が他のどこにあるか。
- その他:昔の日本の若者は外人を見ると“英語で話してよいか"と近づいてきた。大阪でそのような青年につかまり話しが終わらず喫茶店に入った。連れのガールフレンドは退屈そうであった…が2年後に彼女は私の妻になった。
ハリス氏講演の締め括りは、結婚する時、男は女に結婚後も変わってほしくないと思う。しかし女は変わる。女は男に変わって欲しいと思う。しかし変わらない。というものでした。
English Club
1月16日(火)、ESUJ月例活動のEnglish Clubが日本記者クラブで開催されました。
最初の2分間スピーチは学生会員の太田健一さんが”Oh, what a year”--国内外の政治情勢について、そして2回目の挑戦となる深澤満穂さんがImpromptu speechでOxymoron(矛盾する語法)についてお話くださいました。
今回のゲストスピーカーは東大で博士号を取得し、現在東日本学術振興会(JSPS)外国人特別研究員として東京文化財研究所に在籍されているエジプト人、マグディ カリルさんです。”Arabic and Islamic Culture”、イスラム教の起源、教え、イスラム文化、人々の生活など多角的なお話を、パワーポイントによるわかりやすいプレゼンテーションで、また熱意溢れる話法で語ってくださいました。’Muslim’の語源はIslamとSalam(挨拶にもなっているがその意味は平和)からきている、イスラム教は569年に生まれたムハンマドが創始した一神教であるが、それまでのアルジャジーラ半島は多神教信仰でありまたheavy drinkerであった、イスラム教の柱である五行、Shahadah(Witness 信仰告白)、Salat(Prayer 礼拝)、Zakat(Obligatory Alms 喜捨)、Ramadan(断食 ‘self control’)、Hajji(Pilgrimage 巡礼)について、日本語と同じアラビア語‘あんた’(you)、英語の’alcohol’もアラビア語が起源、結婚観について(イスラム教というよりマグディさんの?)などなど充実したお話でした。またその後のQ&Aも現在の深刻な国際政治問題なども含めて大変活発でした。
2月のEnglish Clubは2月20日(火)日本記者クラブ(18:30-20:30)。ゲストスピーカーはロシアから来日し東京大学にて言語学研究をされているタチアナ スニトコさん。
"Surpassing languages and cultures: a way to understanding"
その他の今後の日程
春のOuting企画:「日本民藝館」訪問
日時:3月10日(土) 10:00-12:00
場所:日本民藝館(駒場) 集合:午前10時 [事前申込]
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