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NEWSLETTER N0. 95
April 2007

英国訪問記 池原俊明 (ICU、2006年ディベート大会優勝)

12年前に1年間住み、その後も何度もロンドンに来た自分にとって、正直この旅行はいつもと変わらないものになると思っていました。観光スポットに行き、旧友に会い、ちょっとした買い物をする。入管の長い列や、辛気臭いヒースロウ空港の電灯はその思いを強くするだけでした。ロンドンが国際都市として変わったことをこの時点では予想もしていませんでした。

最初に気づいたことは、タクシーがロンドンに向かう途中だけで5台もの派手な車が反対車線を空港に向かって爆走していったことでした。ここ最近車好きになったので、ただ単に今まで興味の無かった物が目に入っただけなのかと思いました。ですが、もっと驚いたことは都心に近づくにつれてさらに高価で大きな車が細いロンドンの道を我が物顔に走っていたことでした。車に興味の無かったころでも、ロンドンの車はつまらないものだったことは覚えていました。なにしろあのころは高貴な老夫婦のロールス・ロイスくらいしか驚くものが無かったくらいでした。

ホテルに行くとさらに妙なことに気づきます。ドアマンは東欧系。コンシエルジュはフランス人。そしてチェックインカウンターの英語のアクセントは今まで聴いたことも無いようなものでした。イギリス英語を喋っていたのは電話に向かってイラつきながら叫んでいたビジネスマンだけでした。この状況は他でも同じでした。客はほとんどイギリス人なのにオーダーを取るのは移民系ばかり。あまりにも移民ばかりで、紅茶にミルクを入れるものだと知らないウェイターまでいました。ロンドンに12年以上住んでいたサウジアラビア人のご婦人に最近のロンドン事情、移民の増加、ロシアマネーに買われる高級車、数々の道路規制の弊害、軽犯罪が増えたこと等を聞きました。

テムズ川の観光クルーズはさらに驚きでした。川沿いにある建物のなかにはとてもモダンなデザインのアパートやオフィスビルが建ち並んでいました。それにも関わらず、数十年前のビルから歴史的な建造物まで全ての建物と調和していたのです。東京で同じようなことをしてもB級のSF映画みたいにしかなりません。ロンドンの金融街にも近未来的なビルが所々建っていて、周りの古いビルとは対照的でした。それでも景色に違和感を覚えることはありませんでした。

この旅行ではパリ観光も楽しみました。ですがロンドンほどの興奮を与えてくれることはありませんでした。確かにロンドンには様々な問題があります。ですがこの街の文化の衝突は何故か相応しく思えてしまうのです。自分はこのロンドンの活力がパリやニューヨーク、そして東京よりも好きです。この貴重な経験を与えてくださったESUJに感謝の気持ちを送りたいと思います。


「日本民藝館」訪問 --美術館巡り第4弾--

3月10日(土)、駒場東大の近く、美学者柳宗悦が始めた「日本民藝館」を訪れました。会員の外国人も参加し総勢33名。早春の青空に映えて、建物は民芸館らしい威厳と風格を感じさせました。開館を告げるドラの音で、全員集合、二階ロビーで当館国際部代表三村京子さんが、民芸運動の先駆者柳宗悦の精神性と民芸の歴史を英語で解説し、参加者一同それに聞き入りました。柳に強い影響を与えた、ウイリアム・ブレ‐クの詩画集、バーナード・リーチとの交流、そして柳は「白樺」同人となり文学の方面でも活躍。その間、朝鮮を20数回も訪れ、高麗青磁や白磁を世界に紹介しました。40才の時には英国に滞在、米国にも亘りハーバード大学で講義もしました。柳は美の理念を「健康の美」「正常の美」に置き、作品をただ陳列するのではなく、もっと親しく温かく民芸館全体が一つの創作物になるよう心がけました。日本民藝館創設70周年特別展「柳宗悦と丹波古陶」では、“最も日本らしき品、渋さの極みを語る品、貧しさの富を示す品”として中世期の大壷、赤上部等約20点が展示されていました。作品を観賞した後、旧柳宅を見学、ここでも三村京子さんの建物についての解説があり、朝鮮風の窓を作る大工の苦労話も聞き、女中部屋、書斎、押入れなど興味深く見てまわりました。書斎は、柳生前のままなのだろうかぎっしりとおかれている本の数々に、日本にとどまらず世界を駆け巡り才能の赴くまま「美」の追求に生涯を燃焼し尽くした民芸運動家、柳宗悦の全てを見る思いがしました。


English Club

3月20日(火)、日本記者クラブで月例活動English Clubが開催されました。2分間スピーチは佐藤弘之さん(ウォーキングのすすめ)、安藤賢次さん(温暖化)。そして今回のゲストスピーカーはBaptistとして活躍をされているWendy Hoshizakiさん。New Jersey, Montana, Texas, Hawaii, 神戸、豊田そして東京に於ける彼女の人生、様々な弱者を回復へ導く” Celebrate Recovery“活動などについてご紹介いただきました。Q&Aではキリスト教の教義・聖書についてなど、率直な疑問や意見が出され、Wendyさんも真摯にお答えくださいました。

4月のEnglish Clubは4月17日(火)日本記者クラブ宴会場(18:30-20:30)。ゲストスピーカーは東京の”外国人の顔”の一人、アジア文化の理解促進に努める千代鳥モーミンウッディンさん。


今後の日程

★ 大使講演会シリーズ "ベネズエラ概観"
講師:Mr. Seiko Luis Ishikawa Kobayashi(石川成幸)大使
日時:4月24日(火)18:30-20:00 日本記者クラブ9階宴会場


★ 五月の夕べ 2007 今年も開催!
日時:5月25日(金) 18:30-20:30 明治記念館 若竹の間 [要申込]



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