ESU International Public Competition 2012

このたび、今年5月に英国ESUにて開催されたInternational Public Speaking Competition 2012に参加した早稲田大学2年 山本健人さんから参加報告をいただきました。

  この大会は16歳~20歳を対象にしたスピーチの世界大会で、英国のESUが毎年開催しています。日本でよくある英語のスピーチ大会とは異なり、用意した原稿を読みながら(または暗記して)発表するのではなく、いかに自分の言葉で聴衆をひきつけるかが見所で、質疑応答も活発に行われます。計5日間のプログラム期間中にはスピーチ大会(予選・本選)以外にも数々のワークショップや演劇鑑賞などのソーシャルアクティビティも含まれ、世界各国から集まる同世代の人たちとさまざまな経験を通じて交友を深めることを目的とした総合的なプログラムです。参加者は各国内のスピーチ大会等で優秀な実績があり、こうした一連の行事に積極的に参加することが期待されます。ESUJでは今年も日本からの参加を検討し選考をすすめ、昨年に引き続き日本学生協会(JNSA)基金と協力して高円宮杯全日本中学校英語弁論大会OBであり現在はJNSA本部委員としても活躍している山本さんを派遣しました。

  因みに今年の大会には世界51カ国から54名の代表が参加し、マレーシアの学生さんが優勝しました。対象年齢が16歳からということもあり、世界各国からの参加者は高校生も多かったこと、その彼らも自ら作ったアウトラインをもとに堂々とスピーチを披露していたことや、日本人がわりと苦手なQ&Aもむしろ追加のアピールの機会として有効的に活用していたという山本さんのお話も印象的でした。

IPSC報告書
山本健人 早稲田大学法学部2年

今年5月14日から19日にかけて私は、日本英語交流連盟のご協力を得て、ロンドンで開催された International Public Speaking Competition に出場させていただきました。17日、18日のスピーチ大会以外、ワークショップ、ロンドン観光、各国の代表との交流の時間があり、とても充実したプログラムでした。大会の結果は予選落ちという大変不本意なものとなってしまいましたが、この5日間は私にとって一生忘れることのできない思い出となり、私自身を大きく変える出来事となりました。

私が帰国して、一番の収穫は何かと聞かれたとき、私は間違いなくそれは【人とのつながり】と答えるでしょう。最初見ず知らずの同じ年齢層の52ヵ国、54人の代表者たちと5日後には、昔からの友人のように仲良くなっていました。国や文化は異なっても、みんな話好きで、騒ぐのが大好きな若者でした。毎晩夜遅くまで語っても飽きませんでした。韓国代表の友人とは、過去の暗い歴史的背景のせいで、日本と韓国がお互いにいまだに対立している事実を憂い、僕たちの世代でなんとか解決しようという胸が熱くなるような話をしました。レバノン代表の友人に、レバノン人はとても親日的であるということ、中東の人は実はとてもフレンドリーで冗談が好きだということを教えてもらいました。各国の友人の話を聞きながら自分の見聞を広げることができた一方で、自分が母国に対して驚くほど無関心であったことに気づかされました。友人に日本の人口、伝統芸能や文化について聞かれたとき僕は満足のいく答えをすることができませんでした。国際人になるための第一歩として自国を知ることの大切さを改めて考えさせられました。

Speech competition においては、私は自分の100%力を出し切ったのですが、世界の壁は高く、残念ながら予選を突破することができませんでした。しかし、各国の代表の素晴らしいスピーチを聞くことができたことは本当によかったです。彼らのスピーチと私のスピーチでは何が違うのか。僕のスピーチ(日本人全般のスピーチ)は書かれたスクリプトを一字一句暗記して発表するのに対し、彼らはこれだけは伝えたい3つの要点を押さえて、流れだけを頭にインプットし発表する方法をとっています。このやり方ができるようになるには、生きた英語に多く触れ、高いスピーキング能力が必要になります。当然後者の方が、臨場感がでて、聴衆との双方の意思疎通が可能になります。将来英語を使って人の前に立つ仕事がしたい私にとってとても良い勉強になりました。

最後に、このような世界レベルの舞台に立つ二度とない機会を与えてくださり、スピーチのご指導までしていただいた日本英語交流連盟 沼田会長、縣副会長 に、この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。ここで得た経験を生かして、さらに成長をしていきたいと思います。

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