English Club in July at丸の内

またも九州地方を中心に集中豪雨の被害がでており心配です。「これまでに経験したことのない大雨」という表現も初めて使われたほどで、被害にあわれた地域の皆様にお見舞い申し上げます。

今週はESUJでも気候変動についてのお話をうかがいました。
7月10日に丸の内(marunouchi café SEEK)で開催したEnglish Clubでは、駐日英国大使館 環境・エネルギー部長/ 一等書記官 リチャード・オッペンハイム氏(Mr. Richard Oppenheim)に『節電・オリンピックの夏に英国の気候変動・エネルギー戦略を学ぶ』というテーマでお話いただきました。

この夏のキーワードは『節電』と『オリンピック』ではないかと思います。ロンドンオリンピック開幕までカウントダウン段階となってきており、英国への関心も高まっています。その英国は環境・エネルギー分野においても大変積極的で世界のリーダー格です。特に気候変動への取り組みは熱心で低炭素社会の実現に向けて着実なエネルギー政策が組まれています。オッペンハイムさんは、こうした英国の考え方やエネルギー政策についてわかりやすくご説明くださいました。地球は確実に温暖化していること、そこから発生する被害は一地域のみならず連鎖して世界にダメージを与える(例えばタイの洪水で日本も影響を受けるなど)、そのためには低炭素化は避けて通れず、経済的にもアクションを取ることによるコストよりアクションを取らないことによるコストの方がはるかに高くつくこと、気候変動が地域紛争とも関係する “ Climate Security”(気候安全保障)という考え方など。そして、英国政府は温室効果ガス排出量の削減目標を掲げた「気候変動法」を制定し、その実現ための尺度として法的拘束力をもうカーボンバジェットを5年毎に定めていること、洋上風力発電などの再生可能エネルギー開発への取り組み、電力市場改革なども行われています。福島原発事故後には欧州でも原発に対する議論が再燃しその対応は国によって分かれましたが、英国では新規原子力発電所建設も計画されています。最後に気候変動は環境問題ではなく経済問題である、自分自身の問題として責任を持つと締めくくられましたが、まさに日本のエネルギー政策が問われている今、大いに考えさせられました。途上国、経済成長著しい国との関係をはじめ質疑応答も大変活発でした。

ちなみにオッペンハイムさんは日本赴任前にはシリア、イラク、オマーンなどの駐在経験もおありで日本語、アラビア語、フランス語、ドイツ語も話されるそうで、時間があればそうしたお話も伺いたかったです。

今週はその他にもRoudoku Club Summer Special、グローバルコミュニケーション実践ワークショップの第2回目など、
日替わりで多彩なプログラムメニューとなりましたが、続きはまた来週にもご報告いたします!

f:id:esuj:20120710192339j:image:h180 f:id:esuj:20120710195813j:image:h180

戻る

カテゴリー: Activity   パーマリンク